ロマフェスト

ジプシー・フェスティバル
増永哲男 2012

  文字で記録を残すガージョ(非ジプシー)の文字伝承文化に対し、文字を持たないジプシー(以降ロマと表記)たちは五感による表現により伝承してきました(感覚伝承文化)。 オリジナルなロマの表現にその土地のガージョのフォークロールを融合し、その土地に、その国に、独特のロマダンスがクリエイトされていきました。だからロマダンスはひとつではありません。西アジアには西アジアの、アラブにはアラブの、バルカンにはバルカンの、ヨーロッパにはヨーロッパのロマダンスがあります。ロマダンスの種類を正確に数えることはできませんが、大まかに民俗(フォークロール)地方の数だけは在ります。
  このフェスティバルはそのロマダンスやスタイルを目指す、愛する、研究するダンサーが一同に会し、その成果を発表します。今回はアンサンブル・マケドニアとルーマニアのロマが参加します。 フェスティバルを通じ、ロマへの興味が増え、異文化理解に、少しでも役に立てればと思います。

即興創造性、素で地を行く自由さ
NPOロマフェストJAPAN 桐原良子

  ジプシーが一緒にいるだけで、どうしてこんなに嬉しくなるのだろう?!
  人々を虜にするその秘密はフォークロール度の高さにあるのではないでしょうか。自分達の言葉を話し衣装を着、指を鳴らして遊んでいることが舞台の素晴らしさの裏づけとなっているのは興味深いところです。ジプシーとしてのアイデンティティーの高さや、リズムに子供のころから慣れ親しんでいる生活そのものが、多くのジプシーたちを優秀なダンサーにしています。ロマフェストの持つ即興創造性、素で地を行く自由さに心から憧れます。ジプシーの才能に昇天してしまうのです。 

チンゲララーシュ(チンゲリ)
NPOロマフェストJAPAN 徳元裕子

  ルーマニアのジプシーの踊り、チンゲララーシュは、テンポの速い音楽に合わせ、どれだけ細かくリズムを刻み多彩なステップを踏めるかを競い合うように踊ります。個性的で魅力的なフィギュアを即興で生み出す能力が踊り手の技量を決める鍵です。ロマフェストの踊り手は全員が金賞ソロダンサーです。そんな彼らが極上のジプシー音楽で、生き生きと協調し一体となる夢のステージ。これこそロマフェストの真骨頂、ジプシースピリッ トの輝きの極みです。

 

『ジプシーってどんな人?』
NPOロマフェストJAPAN 根岸千春

  ROMAFESTの本拠地であるルーマニア・ティルグムレシュのカフェでの一場面。演奏家の奏でるジプシー音楽に合わせて、店の外にたたずむ壮年のジプシー男性がおもむろに手足をたたき踊り始める。 聞けば、毎日踊るためにそこに訪れるとのこと。 これほどまでに生きることと、踊ることが直結している民はいないだろうと思う。だからこそ、ジプシーの踊りから放たれる命の輝きは見る人の心を魅了してやまない。『ジプシーってどんな人?』その答えのひとかけらを、ROMAFESTの公演を通じて多くの人々に届けたい。

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