ボスニア・ヘルツェゴビナ

民族音楽舞踊団
CAJAVEC
フォークロールレポーター 増永哲男      

 

 2003年3月、ボスニア大使からの一本の電話。「『貴国ボスニアの内戦は?治安は?安全ですか?・・・』と、私は日本でのパーティでいつも同じことを聞かれます。そしてお答えします。『確かに我が国では長い年月内戦が続き、日本での私たちボスニアへのイメージは戦争と悲劇で占められています。しかし日本からの経済支援もあり順調に復興しています。』私が日本の皆様にもっともお伝えしたいことは、ボスニアの誇りである、民族文化、フォークロールの豊かさです。この素晴らしい民族文化を紹介することで、暗くつらい戦争のイメージを払拭し明るく豊かなボスニアのイメージを伝えたいのです。増永さん、協力していただけませんか?」熱心に語る当時のボスニア大使、ハジムラトビッチ・アジズ氏のこの思いを支援する形で、この企画は始まりました。その後、ボスニア共和国文化省・外務省の協力の下、25の舞踊団を訪ねました。そしてサラエボからローラ舞踊団とコロ・ボサンスコ舞踊団、バニャ・ルーカからチャヤベッツ舞踊団を選び、今回はボスニア最高のエネルギッシュでカラフルな公演でグランプリを得たチャヤベッツ舞踊団の来日となりました。
 ヨーロッパに唯一育まれたイスラム文化のボスニアックムスリム人、カトリックのボスニアッククロアチア人、そして正教のボスニアックセルビア人、この三位一体が、ボスニア・フォークロールの核になり、カラフルなコスチュームと楽しいコロが展開されます。
 紛争が終結し8年が経ちました。ボスニアを構成し、紛争では対立した3つの民族は、ボスニア連邦、セルビア共和国と政治的に引かれた境界線の中で生きています。他民族多文化の融合、素晴らしき多文化の国ボスニアのフォークロールを紹介します。
 Cajavecはバニャ・ルーカで生まれ、昨年50周年を迎えました。ユーゴスラビア国立コロー民族舞踊団、ラド民族舞踊団、タネツ民族舞踊団を指導したバショ・ポポビッチ氏(芸術監督)が指導しています。メンバーはボスニアックセルビア人を中心とした構成です。
 Aプロはグランプリを獲得したボスニア・プログラムを中心に、
 Bプロは旧ユーゴスラビアのセルビア・クロアチア・マケドニアの踊りも得意とし、プログラムの中にも多く含まれます。おなじみセルビアン・メドレー、クロアチアン・メドレー、ボスニアを代表する無伴奏の踊り(グラモチの踊り)が含まれています。
 2003.9

  • Facebookの社会的なアイコン
  • Facebook
  • YouTube
  • Facebookの社会的なアイコン